不安の解消法と不安になりやすい心の持ちよう【心理学】

「家の鍵ちゃんと閉めたっけ?」「明日の会議での発表が不安」「自分の将来が不安で仕方ない」

 

このように様々な事に不安を感じてしまい困っていませんか?また、もともと不安になりやすい性格のため、常に不安を感じていて悩んでいるという方も少なくないでしょう。確かに、不安を感じている時間は良い気分とは言えませんよね。不安が焦燥感やイライラにまで発展してしまう可能性もあります。

 

そこで今回は、心が不安を覚えた際の解消法と不安になりやすい心の改善方法についてご紹介していきたいと思います。

 

不安の解消法

誰しも、不安を感じてしまう場面というのは人生の中で何度もあります。今までに一度も不安を感じた事がないという方はほとんどいないはずです。不安を感じやすい性格だという方は特に小さなことにも不安を感じてしまい、つらい経験をしているかもしれません。

 

そこで、ここからは不安な気持ちを解消する方法についてお伝えしていきます。

 

不安の原因を意識することをやめる

例えば、「明日の会議が不安で眠れない!」という時、「会議の資料はあれで大丈夫かな?」「ちゃんと全部準備できているかな?」「忘れ物をしたりしないかな」とそのことばかりを考えていては一向に不安が消えることはありません。むしろ不安は大きくなるばかりでしょう。不安を解消するためには、まず不安を感じている原因には意識を向けないようにするということが大切です。

 

どれだけ不安に感じても、その出来事を避けることはできません。また、不安な感情が湧きだしてくる前から、その原因は存在していたはずです。不安が襲ってきたのは前日の夜かもしれませんが、「会議がある」ということは1か月ほど前からわかっていたことであるはずです。

 

つまり、その出来事が近づいてきたことで、自分自身がそのことを過剰に意識してしまい不安が大きくなっているのです。不安を感じすぎて寝不足になってしまったり準備をしていたはずなのに実力を発揮できなくなったりしてしまっては元も子もありません。

 

まずは、不安を感じている原因を意識の外に追い出しましょう。そうすることで、不安に対してより落ち着いて対応することができるようになります。

 

不安を認識する

不安を感じているときには、不安を感じている出来事に意識を向けてしまったり、不安を感じている事を認めないことで気分を紛らわそうとしたりしてしまいがちです。ですが、不安を解消するためには、不安を認識するということが必要です。

 

先ほど、「不安の原因には意識を向けない」ということを挙げさせていただきました。では、何に意識を向けていれば良いのかというと、「不安を感じている自分の感情」です。

 

不安の原因に意識を向けたり不安な感情を認めないようにしたりすると、逆に心にプレッシャーがかかってしまいます。「不安を感じる事は良くない」「不安を感じないようにしなければ」と考えると心が焦ってしまい、ますます不安になります。

 

まずは自分が不安を感じているということを認めてみましょう。「自分は今不安なんだな」「緊張する場面だから不安に思うのも仕方がない」というように、不安な気持ちを認めることで自分を客観視することができます。自分を客観視できるようになると、自然と心は落ち着いていきます。これが不安を解消する第一歩に繋がります。

 

不安感に焦点を当てる

不安を認識することで少し気持ちを落ち着けることができたら、さらに不安に焦点を当てて自分の不安について細かく知るということをしてみてください。

 

例えば、不安を感じているのは体のどの部分なのか。不安であることを頭で考えて焦りやイライラになってしまっているのか、それとも不安を感じて胸がドキドキしているのか。胸のどのあたりがモヤモヤと不安を抱えているのかなど、自分が不安を感じている場所を探ります。

 

不安を感じている場所が判明したら、次に不安の大きさはどのくらいなのかを考えてみましょう。自分のこぶしぐらいの大きさでしょうか?手のひらを広げたくらいの大きさでしょうか?それとも、両手でも持ちきれないぐらい大きな不安でしょうか?不安は目に見えるものではないので、感じている場所や大きさを判断するのは自分自身でも少し難しいかもしれません。

 

「胸のこの辺りで、こぶしくらいの大きさかな?」というようにおおよそでもいいので予想をつけておくと不安が解消しやすくなります。

 

不安を感じ尽くす

最後に、ここまで行ってきた事を総括して不安を解消していきます。まず、不安の原因は意識の外に置いておきます。そして自分が不安を感じていることを認め、「胸の真ん中あたりにこぶしぐらいの大きさの不安があるな」と確認します。これを、不安が小さくなっていくまで続けてみてください。

 

「今、自分は胸の真ん中あたりにこぶしぐらいの大きさの不安を抱えているんだ」ということを心の中で何回も確認しましょう。これを何回も続けていると、不安が小さくなっていき最終的にはもうほとんど不安を感じなくなっているはずです。

 

「こんなやり方で本当に不安が消えるのか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは心理療法で言う「フォーカシング」というやり方です。今感じている自分の感情にフォーカスすることでその感情を解消するという方法です。

 

不安感などの感情は、目に見えず触れることもできないので、心の中で靄がかかったようになり、なかなかそこから抜けだせなくなってしまいます。ですが、このフォーカシングを行うことで冷静に自分の感情に焦点を当て、不安な感情を具体的に捉える事ができるようになります。

 

具体的になった感情を、何度も反復することで不安な気持ちを感じ尽くすということができます。不思議ですが、感情はその気持ちを感じ尽くしてしまうと自然と消えていきます。悲しい出来事があった時に、悲しみつくして、涙が枯れるまで泣きつくした後は自然と気持ちが晴れてスッキリしていたという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?

 

これと同様に、不安感も感じ尽くしてしまえばいつの間にか小さくなっていき、そして解消されます。最初は時間がかかるかもしれませんが、フォーカシングに慣れてくると比較的短時間で不安を解消できるようになってくるでしょう。

 

不安になりやすい心の改善法

ここまでは、不安の解消法についてご紹介してきました。次に、不安になりやすい心の改善法についてです。不安を解消することができても、不安になりやすい心を持っていると次から次へと不安が生まれてしまいます。不安の解消法を知っておくことも大切ですが、同時に不安になりやすい心を改善することも必要になってきます。

 

そこでここからは、不安になりやすい心を改善する方法についていくつかご紹介していこうと思います。

 

自分を褒める

不安になりやすい人の特徴として、自分に自信がないということが挙げられます。自分に自信をつける一番簡単な方法は、自分自身が自分を褒めてあげることです。

 

大人になると、一生懸命に頑張っても誰からも褒めてもらえないということが当たり前になってしまいます。自分に自信がない人は、自分で自分を褒めるということもしていないので、どんどん自信を喪失していきます。

 

逆に、自分に自信がある人は誰からも褒められなくても、自分が頑張ったと思ったら「よくやったな」と自分を褒める癖がついていたり、自分にご褒美をあげたりしています。

 

自信をつけるためには、毎日自分の事を褒める習慣をつけましょう。「今日も仕事を頑張った!」「早起きできてえらい!」とどんなに小さなことでも自分が「頑張った」「やり切った」と思った事は、その都度褒めるようにしましょう。たまには自分へのご褒美として、美味しい物を食べたり欲しい物を買ったりすることも効果的です。

 

自分に自信がつくと、不安になることも減っていきます。今までなら「大丈夫かな」「自分なんかにできるだろうか」と思っていたことも、「私なら大丈夫」「きっとうまくいく」と考えることができるようになります。

 

健康に気を配る

体のどこかに不調が現れる事も、不安な感情を生み出す原因です。毎日元気で体の調子が良いと、明るく過ごすことができますが、体が疲れていたりだるかったり、どこかに痛みを感じていたりするとその日は暗い気持ちになってしまいますよね。

 

体の不調が続くことで、「何か病気かもしれない」などの新たな不安を生み出してしまう可能性もあります。

 

体の不調が消えていくと、気分も明るくなり不安な気持ちや暗い気持ちになることも減っていきます。食生活を見直すことや、睡眠をしっかりとる事、運動をすることで不安な感情やストレスを緩和してくれるセロトニンという物質が分泌されます。不安になりやすいという方は、セロトニンが不足している可能性もあるので、生活習慣などにも気を配り健康な体で生活できるようにしましょう。

 

上手くいかないこともあると認識する

完璧主義な性格の人も、不安になりやすいと言えます。いくら念入りに準備をしても「まだ足りないのではないか」と考えてしまったり、完璧な結果が得られなかった場合に自信を喪失してしまったりするので不安を感じやすいのでしょう。

 

物事が自分の想像通りに運ばないということは沢山あります。むしろ人生においてはそのような場面の方が多いといえるでしょう。その事実をしっかりと認識しておくことはとても大切です。

 

あなたがいくら頑張っても上手くいかないことは沢山あります。一生懸命にやっても結果が出ないということもあるでしょう。失敗してしまうことも誰にでもあります。ですが、そのたびに自信を喪失する必要はありません。それは誰しもが経験することです。

 

「世の中には、上手くいかないことのほうが多いのだ」と普段から考えておくことで、上手くいかないかもしれないという不安や思い通りにいかない時の焦りも減らすことができるでしょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?不安の解消法、そして不安を感じやすい心の改善法についてもご紹介しました。

 

生きていれば、不安を感じる場面は必ず訪れます。ですが過度な不安や不安を感じる頻度が多いと心も疲弊してしまい、ストレスが溜まってしまいます。不安を感じやすいという方は、今回ご紹介した、不安の解消法と不安を感じやすい心の改善法を併せて参考にしてみてください。

 

これらを実践していくことで、不安になりづらい心を手に入れ、今までより楽しく明るく生活していくことができるようになるはずです。

 

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