アンダードッグ効果。実例から分かる人の心や運をつかむ方法

「人の心や運をつかみたい!」このように考えたことがある方も多いはずです。ですが、人の心、ましてや運をつかむということはそう簡単にできることではありません。「自分は人に気に入られるタイプではない」「自分に運が回ってくるはずない」と諦めている方も多いのではないでしょうか?

 

ですが、あるテクニックを使えば人の心をつかむこと、そして運をつかむということも可能になるかもしれません。今回は、人の心や運をつかむために使える『アンダードッグ効果』についてお話していきます。

 

アンダードッグ効果とは

『アンダードッグ効果』という言葉を聞いた事がない方も多いでしょう。まずは、アンダードッグ効果とは何なのかということからお話していきます。

 

アンダードッグには、勝ち目のない人・負け犬というような意味があります。アンダードッグ効果とは、もともと選挙の勝敗予測で劣勢だと報じられた候補者に同情票が集まり、逆転勝利をするというような現象のことです。そもそもは政治の世界で使われていた言葉ですが、現在では政治用語としてだけではなく、不利な状況の人を見て応援したくなるという心理現象のことをアンダードッグ効果と言います。

 

アンダードッグ効果で人の心をつかむには

このアンダードッグ効果をどのように使えば人の心をつかむことができるのでしょうか?同情票を集めると聞くと、ただ単に「同情を引けば良いのか」と考えるかもしれませんが、決してそうではなりません。

 

自分の弱さを見せて、ただ同情を引こうとするだけでは最初は気にかけてくれていた人もその真意に気づき、いつしか相手にしてくれなくなるでしょう。では、アンダードッグ効果を使って人の心をつかむコツとはどのようなものなのでしょうか。いくつか例を紹介しながらそのコツについてご説明していきます。

 

アンダードッグ効果の例 その1

コンビニやスーパーなどで、発注ミスをしてしまったのかな?という状況を目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も何度かそのような状況を目にしたことがあります。陳列台に1つの商品が普通ではありえない量並んでいるというような状況です。

 

このような状況を目にした時、「発注ミスをしちゃったのかな、可哀想だな」と感じる方は多いでしょう。ですが、ただただ大量の商品を並べられていても、特に必要がなければ「可哀想だな」と思うだけで買ってあげようとは思わないかもしれませんよね。

 

ですが、陳列台に「間違えて20個のところ200個発注してしまい、置き場所に困っています。何卒よろしくお願いします。」と手書きの張り紙がしてあったらどうでしょうか?「1つくらい買ってあげようかな」という気持ちになる方は多いのではないでしょうか?

 

ただ大量の商品が置いてあっても、「可哀想だな」と思うだけかもしれませんが、手書きの張り紙があるだけで「ミスしちゃった人が書いたのかな?」「ミスをカバーしようと頑張っているんだな」と感じるはずです。

 

アンダードッグ効果 その2

あなたはハルウララという競走馬をご存じでしょうか?1130勝という連戦連敗の結果が、かえって人気を呼びブームを起こした競走馬です。

 

このハルウララという馬の特徴としては、比較的体が小さく、臆病な馬だったそうです。生まれた時から体が小さく、売れ残ってしまったため、生まれた牧場で所有し、預託料(調教師に調教を依頼する際の手数料)が一番安かった高知競馬で走らせることになったそうです。

 

普通、競走馬というのは、当たり前ですが強い方が人気になります。ですが、ハルウララは負け続けていたにも関わらず、とても有名で人気になりました。連敗が100に達しつつあったハルウララの特集が組まれると、たちまち人気になり高知競馬場には沢山の人がハルウララの出走するレースを観に訪れるというブームが起こりました。

 

確かに、100回以上も連敗を繰り返している馬は珍しいですし、一体どこまで負け続けるのかが気になっていた方も多いでしょう。ですが、ハルウララが人気になった理由はそれだけではなさそうです。

 

ハルウララの調教師である宗石さんによると、ハルウララはレースで手を抜くことはなく他の馬同様、一生懸命走っていたそうです。一生懸命走っているが、どうしても勝てない。手を抜いているわけではないが、単純に他の馬よりも走るのが遅かったのです。沢山の人に応援されましたが、結局ハルウララは1勝もすることなく、引退することになりました。

 

一生懸命さが大切

アンダードッグ効果の例を2つ挙げさせていただきました。アンダードッグ効果で人の心をつかむために大切なポイントが、この2つの例の共通点として挙げられます。

 

アンダードッグ効果で人の心をつかむコツは、『一生懸命さ』です。

 

発注ミスの例でも、ハルウララの例でも、「どうにかしようと頑張っていること」「一生懸命であること」が人の心をつかんでいます。発注ミスを「助けてあげよう」と思うのも、ハルウララを「応援してあげよう」と思うのも、『頑張っているから』『一生懸命だから』なのです。普段全然頑張っていないのに、同情を買おうとしても上手くはいきません。

 

『頑張っているけど、なかなかうまくいかない』という状況が、結果的に人々の心を刺激してアンダードッグ効果で人の心をつかむことに繋がるのです。

 

アンダードッグ効果で運もつかめる?

アンダードッグ効果で、人の心をつかむことができるということはご理解いただけたかもしれません。ですが、運は自分の力ではどうしようもないと考えている方も多いでしょう。確かに、運の良し悪しは必ずしも自分で変えることができるわけではありません。

 

ですが、『一生懸命に頑張っている人』にはアンダードッグ効果が働き、運が向きやすくなるかもしれないのです。

 

ハルウララのその後

1勝もできずに引退したハルウララが、その後どうなったのかご存じですか?普通競走馬は引退後、そのほとんどが殺処分されてしまいます。

 

そのため、ハルウララもすでに殺処分されているのではと考えていたファンも多かったようです。ですが、ハルウララは現在も千葉県の牧場で生活しているのです。

 

ハルウララは、引退後様々な場所を転々としましたが、2013年に馬主が千葉県の牧場にハルウララを預託しました。しかし馬主が所有権を放棄したことで、ハルウララはその牧場に譲渡されることになります。預託料が払われなくなったハルウララを飼育していくには、多額の飼育費が必要となります。預託料が払われなくなると、牧場の経営も危うくなってしまうため、一度はハルウララの殺処分が検討されていました。

 

しかし、ハルウララの殺処分を免れるため、牧場が「春うららの会」を設立し、3000円の会費を募ると、ハルウララを応援していたファンから申し込みが殺到し、ハルウララは引き続き牧場で余生を過ごせることになったのです。

 

このように、1勝もしたことがない成績の悪い馬だったにも関わらず、競走馬には珍しく運よく余生をゆっくりと過ごすことができているのです。

 

一生懸命な人に運は回ってきやすい

ハルウララのその後を例として挙げさせていただきましたが、このように『一生懸命頑張ってきた人』には運が回ってきます。ハルウララが運よく余生を過ごすことができているのも、より多くの人に、アンダードッグ効果が働いた結果ですよね。

 

「頑張っていても誰も見てくれないのでは」

「一生懸命頑張っている人が損をする世の中だ」

 

と感じている方も多いでしょう。確かに、そのような現実があることも事実です。ですが、今一生懸命頑張れる人は、どんな状況においても一生懸命頑張ることができるはずです。そして、「誰にも気づかれていない」と思っているかもしれませんが、一生懸命頑張っている人のことは、必ず誰かがみているものです。

 

また、普段一生懸命頑張っていれば、なにか上手くいかないことが起きてもアンダードッグ効果によって周囲の人が助けてくれるということも沢山あります。

 

アンダードッグ効果で人の心や運をつかむには

いかがだったでしょうか?いくつか例を挙げながらアンダードッグ効果で人の心や運をつかむ方法についてお伝えしてきました。アンダードッグ効果の力がしっかりと発揮されるためには、『普段から一生懸命であること』そして『頑張っているが上手くいかないという状況であること』が重要です。

 

アンダードッグ効果で人の心をつかむコツを知っていれば、職場や人付き合い、恋愛などにも応用し、人の心や運をつかむことができるはずです。

 

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