お金を出し惜しみする人は、本人の知らないところで「ケチ」の称号をつけられています。自分一人で完結して他人に迷惑を掛けることのない「節約家」「倹約家」程度ならいいのですが、度を超してお金に執着し手放すのを惜しむ人は「ケチ」と呼ばれて集団の中で浮いてしまうでしょう。
ところが「ケチ」な人は、自分の信念に従っているだけで、周りに迷惑を掛けているなどとは露ほどにも思っていません。それどころか、お金を無駄遣いしないという「ケチ」であることを至上のこととし、周りの人間に自分の考えをもっともらしく押し付けてこようとします。
普通にお金を節約し、清貧な生活を送っているのであったり、自分の大きな買い物のために頑張って貯金しているのだったり、家計のためにお金を貯めたり節約したりすることを心掛けているのだったりするような普通の行動であれば問題はないのですが、前述のようになってしまうと、周囲の人々はたいへんな迷惑を被ってしまいますし、集団行動を乱されたり、人間関係を壊されたりしてしまいます。
そんな悪質なケチはなるべくなら早いうちに見分けて、被害を被らないように予防線を張っていきましょう。
ケチっていいもの?悪いもの?
感覚的には、無駄遣いをしてしまう浪費家や、湯水のようにお金を使って行動を省みない人より、お金を節約できる人のほうが堅実なイメージを持たれます。もちろん、それぞれの経済状況が許す範囲内の浪費であれば問題ありませんが、その浪費が借金に繋がったりするのなら、ケチであるほうがまだマシだと感じるでしょう。
しかしそれも、他人に押し付けなければの話です。自分一人でケチな行動を完結させ、周囲に気を遣わせない、もしくは、周囲に気遣って公言しない、そういう人であれば構わないでしょう。
ともあれ、友人としてケチな人の節約に付き合おうとすると、誘いづらかったり付き合いづらかったり、いろいろと困ることが出てきます。通常の友人関係を築くために、通常の気遣い以上の気を遣わなければいけないので、そのケチな人がよほど魅力的な友人でない限り、どうしても誘いの回数が減り約束が遠のいてしまいがちになってしまいます。
例えば職場の上司や先輩が、飲み会やランチなどで自分の分以外のお金をまったく出さなかったとしたら、少し見方が変わることってないでしょうか。ケチのいいところはお金が貯まるところですが、ケチの悪いところは前述例のように人望を得られないもしくは失っていってしまいがちなところでしょう。
ケチな人の心理と特徴
ケチな人の心理としては、度を超したケチも、普通の倹約家も、次のような3点が核となっているでしょう。
①将来に不安を抱えている
②勿体ないことが大嫌い
③貯金が大好き
端的に言えば、遠い先のことを考えて「お金はあればあるほどいい」と思っているせいで、ケチになってしまう人、日本人の精神ともいえる「勿体ない」を地でいくケチな人、散財が苦手で貯金するのが趣味というケチくさい人です。
付き合いやすいケチなら構いませんが、付き合いづらいケチとはなるべく距離を置いておきたいもの。ですから、以下のような特徴を参考にして早々にケチを見抜いてしまいましょう。
ケチな人は人付き合いが悪い
なるべくならお金を使いたくありませんので、ケチな人はあまり飲み会には参加しませんし、無駄なお金を使わないようにするため、交友関係を積極的に広げようという行動を取りません。結果、人付き合いが悪くなりがちです。
ケチな人は自分の行動をいつまでも後悔する
お金を無駄にしたくないだけでなく、ケチな人は自分の行動すら無駄にしたくないという傾向にあります。友人に何かしてあげたり、仕事でも常に合理的・効率的に動きたがり、無駄仕事を極端に嫌うタイプです。こういう人は、何か自分にとって無駄な行動を取ってしまった場合、深く深くいつまでも後悔してしまいがちなのです。
ケチな人はプレゼントが嫌い
他人の家を訪ねるのに手土産という選択肢を少しも思い浮かばないのが、本格的にケチな人です。旅行に行ったとしても職場や友人へのお土産を買うということをぽっかりと忘れていがちですし、恋人への記念日のプレゼントすら極力減らしていきたいと思っているでしょう。
ケチな人はクーポンが大好き
食事や買い物では、ケチな人は「クーポン」や「割引」が大好きです。クーポン券をやたらとチェックしていたり、割引になっているものを買うというような選択をする人は、ケチな場合が多いでしょう。
ケチな人との上手い付き合い方とは
どちらも不快にならないように、ケチな相手のプライドを傷つけることなく、上手い具合に付き合っていく方法をいくつかご紹介します。
ただし、ケチなだけでなく、自己中心的で他人に対する思いやりに欠け人間関係を損得のみで判断するような、自分の財布だけが可愛いという度を超したケチとは付き合わないほうがいいかもしれません。友人や恋人なら、付き合い方を少し考える方向でいったほうがいいでしょう。そういう相手でも、どうしても縁が切れない親戚や職場の人だったりする場合には、以下の方法を使ってみてください。
約束はお金の絡まないシーンに
ケチな人と付き合う場合、なるべくならお金がかからないような付き合い方を選択しましょう。ちょっと出かけるにしても食事の時間を避けるとか、ショッピングに誘うのではなく図書館に誘うとか、入場料がかかる施設ではなく公園や無料の施設を選ぶとか。
お金が絡んでくると気分の悪い思いをする確率が上がってくるでしょうから、なるべくお金がかからない場所に誘ってみましょう。それが、ケチな人に対する思いやりでもあるのです。
ケチな人には変な期待をしない
付き合っていくにあたってケチな人に対して怒ってしまったり感情的になってしまったりしないように、最初からあきらめておくことです。変な期待は持たず「ケチだからまた面倒くさいことを言い出すだろうけど仕方がない」くらいのスタンスで付き合っていきましょう。
ただし、ケチな人が調子に乗ってあなたにまでケチな考え方や言動をを押し付けてくるようなら、そこは断固拒否しましょう。気持ちよく付き合うためには、互いの線引きが重要なのです。
教えを乞うてみる
ケチな人は普通につきあうにはたいへん面倒なタイプですが、別の面から見てみると、節約術のエキスパートである、という見方もできます。ケチな人と理解しあうことは難しいかも知れませんが、もしあなたが節約に少しでも興味があるなら、やり方を教わってみたりその節約術を褒めてみたりすると、ケチな人との関係が円滑になるかもしれません。
ケチな人の「デレ」を引き出すための方法ですが、教えを乞うたせいでケチ仲間と思われないように「私はいまのところするつもりはないんだけど、友人が困ってるから節約の仕方教えてくれないかしら」などと、ちょっとした工夫を凝らした尋ね方が必要でしょう。
ケチな男を見抜くチェックポイント
ところで女性の目から見てみると、ケチな男というのは本当に面倒くさいものですよね。お金に関してキッチリしている、という意味合いでは、友人や同僚であるならありがたいくらいなのですが、それが彼氏や旦那となってくると少し面倒になってきます。
すでに付き合ったり結婚してしまっていればもうしょうがないのですが、面倒な思いをしないように、または面倒くさくなる男だと判った上で付き合えるように、ケチくさい男を見抜くポイントを少し挙げてみましょう。
チェック1:食べ放題が好きな男
初デートに誘われて食事が食べ放題だったらかなり注意が必要です。初めてのデートで彼女に良く思われたい喜ばせたいという思いより、自分の財布事情を優先する男はかなり面倒くさいケチの可能性が高いでしょう。
チェック2:1円単位まで割り勘
割り勘大好きな男はケチだ、というのは良く言われることですが、1円単位まで割ろうとしたり、あわよくば端数を他の人に押し付けようと狙っていたりするなら、その男はドケチの可能性が高いでしょう。
チェック3:記念日をごまかしがち
前述したようにケチな人はプレゼントが大嫌いです。彼女や友人に対しても、なるべくならプレゼントを上げる機会を少なくしたい、何ならゼロでもOK!なんて思いでいるために、2人の記念日をなるべく少なくしようとしたり、忘れたふりをしたりしがちなのです。
チェック4:奢ったことを執念深く覚えている
ケチな人は、他人から奢ってもらったりお金を出してもらったりしたことをすぐに忘れますが、自分が奢ったことやお金を出したことは執念深く覚えています。いつまでもいつまでも恩に着せ「奢ってやったんだから」「金出してあげたんだから」という言葉が口癖になっているでしょう。
ケチな人の心理を理解できずとも否定しないようにしましょう
ケチな人の心理には、なかなか理解しがたいものがあります。空気を壊してでも手元から出ていく1円を惜しんだり、集団行動を乱してまで無駄遣いと思ったものを拒否する、などと、ケチな人本人にとっては十分な理由があるのでしょうが、はたから見ていると顔をゆがめるしかありません。
そういうときでも、ケチな人の心理を理解しようとしなくてもいいのですが、ケチな人だからといってその人格や行動自体を否定しないようにしてください。お互いに良い空気で過ごしていきたいなら、あなたもケチな人を尊重しておくのが最も良い付き合い方でしょう。
もちろん、前述してきたように、ケチな人の中には度を超して信じられない言動を繰り返す人もいますので、そういう人には通じないかもしれませんが、ケチな人だって、あなたが自分を尊重してくれていると判れば、少しずつ自重してくれる可能性もあるのです。
なるべくならばウィンウィンの関係性でいるために、ケチな人に対しても少しの思いやりは残しておくようにしましょう。