毎日生活を送っていく中で、私たちにとって「ストレス」となってしまう出来事は沢山あります。例えば、進学や就職、引っ越しのなどの環境の変化や結婚・離婚、親族や親しい人との死別など人生の中で起こる大きな出来事はストレスになることが多いでしょう。
このような、人生における比較的大きな出来事や環境の変化は、私たちに強いストレスを与えます。大きなストレスが原因で、体調を崩してしまった経験がある方も多いでしょう。ですが、上記のようなことがストレスになっている場合、時間が解決してくれることやストレスの原因がはっきりしているため、すぐに対応することもできます。
しかし、私たちのストレスの原因はこのような人生における大きな出来事ばかりではありません。日常の中で起こる小さなイライラなどのストレスも、溜め込んでしまうと体調を崩したり心の病へ発展したりということもあります。
そこで今回は、小さなストレスを溜め込まないためにできる事についてご紹介していきます。何か大きな出来事があったわけではないけれど、ストレスが溜まっているなと感じている方は是非参考にしてみてください。
小さなストレスの解消法
日常生活の中の小さなイライラやストレスを、我慢できる範囲だからと毎日我慢しながら過ごしているという方も少ないでしょう。ですが、「小さなことだから」「我慢できるから」と言ってストレスを溜め込みすぎると、自分も気づかないうちに限界を超えてしまい、突然体や心の不調に悩まされることもあります。
また、小さなストレスが積もり積もってしまったという場合は、自分でもはっきりと原因がわからないという場合も多く、対応も難しくなってしまいます。そのため、小さなストレスはできる限り早い段階で発散することが好ましいのです。
そこでここからは、小さなストレスへの対応や解消法をいくつかご紹介していこうと思います。
気づきづらいストレス源を知る
小さなストレスは、自分で「ストレスになっている」と気づいていない場合もあります。例えば、
- 取り入れる情報量が多い
- 部屋が片付いていない
- 睡眠の質が悪い
というようなことも、ストレスになっている場合があります。
取り入れる情報量が多い
テレビや電車内の広告、スマホでネットニュースやSNSから多くの情報を得ているという方は多いはずです。現代は、どこにいて何をしていても、色々な情報が自然と目に入ってきます。ですが、情報を取り入れすぎてしまうと、それがストレスになることもあります。
自分にとって必要ではない情報を取り入れすぎると、脳が疲れてストレスを感じます。しかし、私たちはスマホやテレビから無意識に多くの情報を集めてしまっています。「スマホを触る時間を減らす」「就寝前に早めにテレビを消す」など、少し意識を変えるだけで気づかない間にかかっていたストレスが軽減されるはずです。
部屋が片付いていない
部屋が散らかっているということも、ストレスになっていることがあります。「忙しいから」「面倒だから」と後回しにしているうちに散らかったままになっているという方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、『自分の部屋』はあなたが一番リラックスして居られる場所です。部屋が散らかっていると、リラックスしきれず気づかないうちにストレスの原因となっているかもしれません。
部屋が汚いことは、心理的にも結構影響するのです。乱れた部屋で過ごしていると、心が荒んでいくのです。「割れ窓理論(ブロークンウインドウ理論)」 建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される法則のことで、一つ汚いとどんどん汚くなっていき、よりストレスが溜まる部屋になっていくんですね。
「慣れている」「気にならない」と思っていても、知らず知らずのうちに小さなストレスとなっている場合もあります。毎日少しずつ片付けていけば、それが習慣になって散らかることも少なくなるはずです。使ったものは元の場所に戻すなど、少し気を付けて綺麗な部屋を保つと、よりリラックスできるようになりますね。
睡眠の質が悪い
「なかなか寝付けない」「夜中に目が覚めてしまう」など、睡眠の質に不満を感じているという方は少なくないでしょう。また、自分ではきちんと睡眠時間を確保していると思っていても、日中に眠気があったり疲れが取れないと感じたりしている方は、睡眠の質に問題があるかもしれません。
睡眠の質が悪いと、体はストレスを感じやすくなります。また、睡眠への不満や不安がストレスになってしまうこともあります。寝る直前までスマホの画面を見ている方は、「1時間前まで」など時間を決める、寝つきが悪い場合は、眠る2時間前に入浴するなどの方法を試してみてください。
ストレスを予測する
人は予測できないことが起こった時に、ストレスを感じやすくなります。例えば、約束をしていた相手が時間に遅れた時、「電車が遅れちゃって、30分ぐらい遅くなるかも」と事前に連絡をくれればそれほどイライラしませんが、何の連絡もなしに30分遅れて来られたら、とてもイライラしませんか?
相手が遅れてくることが予測できれば、30分間近くのお店で時間をつぶすなどの対応もできますが、予測できなければ待ち合わせ場所で30分間「どうしたんだろう」と心配したり「まだ来ないのか」とイライラしたりとストレスを感じてしまいますよね。
このように、ストレスを予測するということは、小さなストレスへの対応としてとても重要になってきます。ストレスを予測することは難しいのではと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、日常で起こる小さなストレスの場合、予測できるものは沢山あります。
例えば、旅行など慣れない場所に行くときには「飛行機が遅れるかも」「すべて予定通りには動けないかも」とある程度起こりそうな事を予測しておけば、予定通りにはいかなくても想定内だと冷静に対応できますよね。
よく遅刻してくる友人との約束なども、「10~20分遅れてくるかもしれないな」と予想しておけば、待ち合わせ場所付近で時間をつぶせる場所をあらかじめ探しておくなどイライラしない方法を探すことができます。
このように、予測できそうなストレスはあらかじめ予測する習慣をつけると、小さなイライラやストレスが減っていくはずです。
予測や解決が難しい場合は良い面を見る
通勤距離が長いことや満員電車にストレスを感じるということもあるでしょう。このようなストレスの場合、簡単に引っ越しをすることはできないため、解決が難しいかもしれません。また、約束をドタキャンされるなど、どうしても予測できないストレスに見舞われるということもあります。
このような場合は、その出来事の良い面に目を向けるようにしてみましょう。ストレスを感じると「イライラする」「面倒だ」「つらい、しんどい」などのマイナスの感情が湧いてきてしまうため、それが自分にとって完全にマイナスの出来事だったと考えてしまいがちです。しかし、ストレス源から学んだり、良い面を考えたりする事で自分にとってプラスになることも沢山あります。
例えば、通勤時間が長ければ、その分読書をしたり好きな音楽を聴いたりという時間を長く確保できます。通勤時間に少しでも自分の好きな事ができれば、その日のモチベーションも上がるはずです。また、「通勤区間が長い分、定期券を休日も使えてお得」と考えることもできます。満員電車がつらいという場合も、いつもより早い時間の電車に乗って、会社の最寄りのカフェでゆっくり過ごすなど時間を有効活用できるかもしれません。
約束をドタキャンされた時などの、予測できないストレスを受けた時にも「ドタキャンされることもあるから、次は予測するようにしよう」「せっかく外に出る準備をしたから、行きたかったお店に行ってみよう」というように、プラスの面を考えてみるとイライラしていた感情も前向きに変わっていくはずです。
このように、物事を違う角度から見る事を「リフレーミング」と言います。ストレスを感じる出来事があった時にはこのリフレーミングを行って、プラスの面を探してみると今まではストレスに感じていたことも、自分にとってポジティブな出来事だと考える事ができるようになるでしょう。
まとめ
小さなストレスは、気づかないうちに溜め込んでしまうこともあるので危険です。いつの間にか心や体に様々な不調が現れるようになることもあるので、できるだけ早い段階で対処することが重要になります。
もし小さな出来事でもストレスに感じる事があれば、今日ご紹介したストレスの解消法を試してみてください。小さなストレスを解消することで、体も心も今までより元気になるかもしれません。