40代女性と言えば、結婚し子供がいれば子育て真っ盛りの人が多いでしょう。未婚の方はバリバリ仕事をしているキャリアウーマンというイメージですね。一言で40代女性と言っても、既婚・未婚、子供の有無、取り巻く状況や立場は様々です。10人いれば10人、100人いれば100人の違った生活があり悩みも異なります。
今回は働く40代女性が抱える悩みについてみていきましょう。
働く40代女性の実情～職場での立ち位置と悩み～
40代女性の職場での立ち位置は、仕事もベテランの域に入っているので中間管理職、若しくは部署や部門の長のような責任ある立場の人も多いでしょう。公務員で言うと課長や課長補佐というところでしょうか。
部下がいて、そして企業のトップと近い立場で働く40代に女性に生ずる悩みは以下のようなことが考えられます。
- 職務に対する責任や重圧からくるストレス
- 部下との人間関係
- 上司や経営者との人間関係
働く40代は、与えられた職務を単にこなすだけではなく、部下に仕事を与え、管理していくという立場にあります。そして人を育て、企業の発展に寄与するという難しい立ち位置特有の悩みがあると考えられます。
働く40代女性の実情～家での立ち位置と悩み～
では次に、先にあげた働く40代女性の家庭での悩みはどのようなことが考えられるでしょうか。40代女性の場合、25～30歳で結婚、出産していると子供は中学生か高校生くらいになるでしょうか。40代後半になると子供が大学生ということもありますね。
まだ子育てが完了するまでには至らず、それなりに生活費もまだまだ稼がないといけない時期です。時間的にも金銭的にもなかなか余裕が持てないということが予測できますね。
そんな、働く40代女性の家庭での悩みは以下のようなことがあげられます。
- 忙しさからくるストレス
- 仕事と家事の両立への疲労
- 子供の学業や進路に対する悩み
日々の生活の疲れに加え、一番お金を必要とする時期です。そして、大切な子供の人生の岐路にあって夫婦や家族の結束が求められ、外（仕事）でも中（家庭）でも精神的なストレスがかかってしまいます。特に母という立場での精神的な負担が大きくなっている時期です。
働く40代女性の実情～未婚の場合の悩み～
一方、40代未婚女性の場合はどうでしょうか。現代では、地域性や仕事の分野によっては40代でも未婚であるという女性も多いでしょう。
そして、「未婚=気楽」というようにうまくいかないのが現代のストレス社会。
働く未婚女性の悩みは次のことが考えられます。
- 会社ではお局様扱い
- 孤独に対しての将来への不安
- 独身であることで受ける周りからの評価や扱いに対するストレス
独身は独身なりに悩みやストレスがあるのです。
特に、目に見えて景気の良さを実感できない今、少子高齢化や核家族化などの問題も相まって、金銭面や孤独感からくる将来への不安は大きいことでしょう。
働く40代女性～既婚、未婚に共通する悩み～
さて、既婚・未婚に関わらず40代の働く女性の悩みやストレスとして共通してあるのが「親の介護問題」です。40代の人の親の年代は70～80代。親に身体的介護の必要性が生じてきたり、認知症の症状が現れてきてもおかしくない年代です。一昔前の「介護はお嫁さんの役割」という時代ではありません。
親と同居していてもいなくても「自分の親のこと」と言う意味で、嫁いだ娘であっても親の介護問題では遠巻きで見守るということはできません。男の兄弟が親と同居していても、お嫁さんに負担がかからないように周りが気遣うというケースが多くなっています。それは、介護保険の制定で介護分担が当たり前の世の中になったことに加え、お嫁さん自身も働いているというパターンも珍しくないからです。
そういったことから、親の医療機関への受診付き添いもお嫁さんをアテにはできません。例え会社を休んでも、実子が交代で親を病院に連れていくということが今では当たり前なのです。
深刻度が高い、未婚・働く40代女性が一人で抱え込むケース
これまで、未婚・既婚の別でそれぞれの立場で生ずる悩みやストレスをみてきました。どれも当事者となって考えると深刻な問題です。そして、中でも看過できないケースは「未婚女性一人に対して親の介護が降りかかってきた」場合です。なぜこの場合、深刻度が高いかというと時間とお金の問題を一人で抱えることになる可能性が高いと考えられるからです。
働く40代女性・未婚の方に親の介護が生じたときの悩みやストレスは以下のことが想定されます。
- 親の介護や受診で仕事を休まなくてはならない。
- 介護を必要としていない方の親の面倒も発生する。
- 介護離職することもある。
- 介護に係る費用負担が多い。
- 相談相手やストレスのはけ口がない。
- 子の金銭的負担が生ずる。
金銭的な問題では親の年金の範囲内で介護サービスを受けることができるのが理想です。しかし、持ち家の管理やかかるランニングコストを考えると新たに介護サービスを受けながら、今まで通りの生活費以内で家計を維持していくということは難しいです。
また、時間的な問題として介護申請や介護サービス利用にかかる書類や面談、医療受診では度々会社を休むことになります。協力できる兄弟や親戚が居れば負担が軽減されますが、独身で身軽だという理由で周りから頼られ、頑張りすぎてしまう人もいます。
そして、結果的に会社の介護休暇を使い果たしてしまうだけではなく、有休が取りにくくなってしまったり、会社の人たちから「また休むのか」という目で見られてしまうことがあります。
このような状況が両親共に立て続けに起きるということも実際にあるので、1人で抱えこんで精神的に参ってしまう人もいます。そして、仕事に集中できなくなり仕事自体がストレスになってしまうことも考えられます。
働く40代女性の悩みやストレスを解消する魔法の言葉
働く40代女性の悩みやストレスが生じるシーンをここまで見てきました。特に、親の介護を請け負う状況になってしまった場合については詳しくみてきましたので、「考えるだけで落ち込みそう…」という方もいるかもしれません。
親の介護について補足するとしたら、介護サービスの利用や制度の活用で介護分担し、ケアマネージャーや介護職員などとの新たな出会いや関りをもって一人で抱え込まないということがポイントになります。
そして、ここからはそれとは別に「働く40代女性」全体にとって悩みやストレスを解消できる方法を紹介します。ポイントは、先ずは気持ちが楽になるということが必要だということです。
気持ちが楽になるための魔法の言葉
「魔法の言葉」というとかなり大げさではありますが、私が救われる言葉として紹介するのは「この状況が一生続くわけではない。今日と来年の今頃では違っている」ということです。
「今ある悩みやストレスは一生続くわけではない」職場においても家庭においても、私たちを取り巻く状況は日々変化しています。環境や人、社会や制度はいつも変化し続けているのです。生きていれば、気楽に構えて何とか乗り切ることができるストレスばかりではありません。ストレスが深刻になると「悩み」となり、中には鬱などの病気になってしまう人もいます。
実は「気楽に考える」ということは難しいことです。
なぜなら、悩みやストレスを既に感じてしまっている人は、その状態から脱したいと思っていても悩みの種である職場環境や家庭事情をそう簡単に変えたり消したりはできないことをわかっているからです。そのため、いくら気楽になろうとしても、気楽に物事を捉えることができるだけの根拠が必要なのです。
そのように悩んでいる人は「確実に時は流れ、自分も周りも状況も毎日変化している」ということを知る必要があります。そして、それは紛れもない事実なので素直に受け止めるしかないのです。
そう考えることができると「この状況が一生続くわけではない。今日と来年の今頃では違っている」ということに根拠を見出し、納得できるのではないでしょうか。
実際、働く40代女である私自身、小学校の時に嫌だった運動会の心配はもう今はありません。苦手だったあの子は県外に就職し、もう会うこともないでしょう。毎日夜泣きをして親をなかなか眠らせてくれなかった息子も今は大学生。何か世話を焼きたくても焼かせてくれません。
もっと短い期間で言うと、高校受験に失敗した娘が2カ月後には第二志望の高校で彼氏ができ、楽しく充実した学生生活を送っていたりもするのです。40代女性という大人な私たちは、簡単に気持ちを切り替えることができません。将来を憂い、現状に悩むということが仕事でも家庭でも少なからず毎日あります。
究極は「気楽に構えて乗りきる」ということですが、そのためにどういった思考を持つことができるかが大きなポイントになります。
まとめ
人は生きていれば悩みやストレスのない日はありません。
幼い時は友だちや遊びのこと、青春時代は初恋や学校のこと、そして大人になると仕事や恋愛、子供のことなど、私たちを悩ます原因は生まれては消え、また生まれ、移り変わっていきます。
40代では子供や親のことで仕事以外の問題の深刻さが増します。そして、女性も働き続ける時代にあっては会社での立場も決して腰かけ気分ではいられない年代なので、仕事をおろそかにもできません。
そう考えると、働く女性にとって一番しんどいのが40代なのかもしれませんね。今回、悩みやストレスは時が解決する部分があるということを述べましたが、最後に忘れてはいけないことをもうひとつ。
私たちは必ず誰かと関わって生きているということです。例え未婚であっても親に何かがあった時、頼れる兄弟が居ない場合でも一生涯誰とも関わらないということはあり得ません。
そして、たとえあなたが会社では孤高の社長であっても、会社以外では別の立場の自分の顔があるはずです。状況や場が変われば立ち位置が変わり、そして相談できる相手や話を聞いてくれる人が必ずいるということを知っておくと、普段から気持ちに少し余裕がもてるかもしれませんね。
