人付き合い・人間関係のストレスについて
友人関係や職場の人間関係など、人との付き合いにはストレスがつきものです。逃げたいけれども逃げられない、そんなストレスですが、ないに越したことはありません。
職場でもプライベートでも、常に人間関係は付いてまわります。悩みのほとんどは人間関係から生まれるといっても過言ではないでしょう。
苦手な人ができて苦手意識を持ってしまうと、人間関係はどんどん悪化していき、抱えるストレスも大きくなっていきます。疲労も蓄積して、生き生きとした社会生活からは程遠くなってしまうでしょう。
叶うことならば、ストレスフリーな毎日が良いものです。良好な人間関係を保ち、ストレスフリーな生活を営むことができれば最高なのですが、なかなかそうもいきません。
それならば人間関係に疲れたときは一度、付き合い方や距離の取り方を改めて見直してみましょう。新たな原因や対処法が見つかるかもしれません。そうして細やかにケアすることで、ぜひともストレスを感じずに人付き合いを続けていけるようになりたいものです。
人間関係・人付き合いによって生まれるトラブルについて
人間関係・人付き合いは良い刺激や安心感を自分にもたらしてくれます。対人関係に関する対応をしっかりと行い、悩みを抱えないようにすることができれば、人生は明るいものになるでしょう。
そのためには当然、相手に対する気遣いをしたり、話をよく聞いたり、相手の考えを受け入れたり、といった面倒事も多くあります。相手の立場になって良く考え、相手を安易に批評したりしないよう、じっくりと付き合っていくことも大事でしょう。
これらには細心の注意が必要になってきます。しかし、どれだけ注意しても、誤解されてしまえばネガティブな感情を持たれぶつけられたりすることもあるのです。そうしてストレスを抱えてしまう可能性は必ずあるでしょう。
ストレスを抱きながら惰性で付き合い続けると疲労が蓄積してしまいます。またそれだけでなく、気を付けて付き合わっていかなければ、相手に依存されたりプライバシーを侵害されたり、といった事態にも発展しかねないのです。
身近な人との付き合いを楽しみ、良好な人間関係を築けていれば、人生は明るく楽しいものになっていくでしょう。けれども前述のように、良いことだけではなくさまざまなトラブルに見舞われる可能性も秘めているのです。
人間関係に疲れやすい人の特徴・心理
人と会った次の日は、すっきりとした目覚めが叶わないほど疲れてはいないでしょうか。そこまでの疲労を溜め込むほど人間関係に疲れてしまう人、人付き合いに疲れやすい人の特徴は次の通りです。
- 周囲に気遣い、言いたいことややりたいことを我慢する傾向にある
- ネガティブな事をずっと引きずり続けてしまう(心の切り替えが苦手)
- 他人の目線や周囲の評価が常に気になる
- 相手の反応や言葉を悪く取ったり、裏を読んでしまう
- 自分の感情に任せて相手の気持ちをネガティブに推測しがちである
- 特定の人に対する悪感情を、陰口を叩くことで解消している
周りに気を遣いすぎて、自発的な言動を抑えてしまえば、確実に大きなストレスになります。また周囲の評価を気にして行動していては、気持ちが安定しないでしょう。相手の反応をいちいち悪くとらえて気に病むことは、たいへんな心の負担なのです。
さらに、相手が深い意味もなく喋ったことや行ったことに対して、自分の感情次第で色付けしてしまう癖があると、ちょっとした会話ややり取りさえ苦痛になってしまいます。
そして、陰口や悪口は、自己の悪感情を煽った上に、自分の意識までも傷つけることに繋がりかねません。他人の悪口を言うことによって、自分の心をも傷つける場合があるので、要注意です。
上のように、他人に対して過剰な気遣いをする人、自分の思いを素直に伝えるのが苦手な人、ネガティブに考えがちな人は、人間関係にストレスを感じやすいと言えるでしょう。つまり、これらが人間関係に疲れやすい人の特徴です。
対人関係力にも繋がる
いつも同じ相手との交流や、変わらない人間関係の中に居続けている場合、前述の疲れやすいパターンに当てはまることが多いのではないでしょうか。旧知の友人や家族などといった仲にばかりいると、対人関係力が落ちてしまいがちなのです。
また、今現在、安心できる間柄でも、年を経るごとに関係が変化していきます。一定の関係性が成り立っていると安心し、それだけに執着していると「この関係を失うのでは」という不安感に苛まれてしまいます。
そのため、新しい出会いを得ることで、積極的に人間関係を築くための地肩を鍛えていないと、対人関係力がどんどん低下していくことでしょう。一定の人間関係に安住することなく、多様な人と交流していく姿勢を保つことが重要なのです。
ここでは、人間関係への疲れやすさを根本的に解決するための、3つのコツを心理と行動に分けて、ご紹介します。今回は、人付き合いを回避してストレスを軽減するのではなく、前向きに取り組み解決していくための秘訣です。対人関係力を鍛えながら、気後れせずに人付き合いをしていきましょう。
人間関係への疲れない為の3つの心の在り方
人間関係に疲れてしまっているのでしたら、それはまず、心の在り方によって特にストレスを感じてしまっている場合が多いです。なのでまず、人間関係に疲れない為の心の在り方を解説していきます。これだけでの、少しは変化が出てくるかと思いますよ。
意思表示をはっきりする
人間関係において、自分の意見を押し殺してしまっている事も、人間関係において、心のストレスとなる原因の一つとなります。「私は○○だと思うけど、それを言ったら○○さんは嫌って思うかな」等と、色々と回りを考えてしまうと、意見を言えなくなってしまうかと思います。
しかし、それを続けてしまうと、人間関係自体に疲れが出てしまうので、意思表示を少しでもはっきりする心がけも持っておきたいですね。
人間関係を表面的な付き合いに留める
人間関係に疲れやすい人は、どんな人に対しても、真面目に付き合うとするところにあります。どんなに自分に合わない人でも、「どうすればあの人の事と理解して、上手く付き合う事が出来るか」と真面目に考えてしまうんですね。どうしても、性格が合わない、考えの根本が違う等人は多くいますし、そういった相手に対しては、理解なんて出来る訳ないのです。
あくまでも、表面的に、言ってしまえば、適当に付き合う事で、理解もする必要もないですし、そういった人達とも上手く付き合う事ができて、ストレスも過度に掛かることなく疲れが少ないでしょう。
いい人をやめる
人間関係で疲れてしまう根本となる理由ってこれなんですね。良い人でいるのをやめる事が疲れない心の持ちようです。良い人でいると言う事は、周りに嫌われないで、周りの意見に同調して、周りに評価を気にしていかないといけません。
もちろん、この根本的な考え方を全て解消する事は出来ないでしょうが、「嫌われてもいい」とまでは出来なくても、「いい人でなくていい」と思えたらいいですね。この考え方が少しでも変わってくれば、人との付き合いにおいても、疲れが軽減されますね。
これらの3つの心の持ちようにしても、「必ずこの気持ちを持ち続ける」と意気込んでしまうと、どうしても疲れてしまうので、「試してみる」位の軽い気持ちで実践してみて下さい。ここで変に無理をしても余計疲れてしまう原因になってしまいますしね。
人間関係への疲れやすさを解決する3つの行動
さまざまな人々と付き合う
昔からの知り合いや友人との関係は、安心できるものですし安定してもいます。しかし、相手と親しくなればなるほどお互いへの甘えが生じやすくなっていくことでしょう。
気軽に互いのプライバシーに踏み込んでしまったり、簡単に約束を破ってしまったり、ついつい傷つけあう言葉を口にしてみたり。その結果、互いに不満が募り不愉快さが先に立って、それまでの信頼関係が崩れ落ちてしまうことだってあり得るのです。
そのため、肝要なのは、昔からの関係性を保ったまま濃厚な付き合いを続けていくだけでなく、多様な人たちと付き合って、ほどよい距離感をもって付き合う術を忘れず鍛えていくことです。
緊張感を保ちながら、新たな人間関係を築く、そういった場面の経験を重ねていくのは非常に大事なことです。深く濃厚なお付き合いも大切ですが、新しい関係性にも目を向けていきましょう。
自分から人を誘ってみる
対人関係力は、積極的な思考と行動から生まれ、育ちます。誘われるのを待つだけでいては鍛えられない能力ですので、ぜひ自分から行動を起こしてみましょう。
相手へ興味を持ち好奇心を持って誘えるようになれば、ひいては自分のコミュニケーション能力を高める結果にも繋がります。積極的に交流することで、会話もスムーズに進めることができるようになるのです。
さらに、いつも同じメンバーで集まるよりは違うメンバーで、または集まる人数を変えてみるなど、さまざまなシーンで交流する機会を持ってみると、より良い経験となります。
そうするうちに「自分から誘う方が楽」に感じることができればさらにステップアップです。自分から誘えば交流範囲もおのずと広がっていきますし、対人関係力はどんどん鍛えられていくでしょう。
世話役を引き受ける
前述したように、対人関係力を高める方法のひとつに、多くの人々にコンスタントに触れ合い、人間関係を樹立する経験を重ねていく、という方法があります。そのために、何らかの世話役を引き受けてみるといいでしょう。
役員や地域活動の長などといった、社会生活の中での世話役を経験すると、多様な人物像に触れることができて、対人関係力を高められるでしょう。
飲み会の幹事なども、身近な世話役のひとつです。いやいや引き受けるのではなく、率先して引き受け、積極的にこなしていくことで人間力を高める訓練にしましょう。
学生さんなら機会があれば、クラスの委員長や生徒会執行部などを経験しておくと良いでしょう。調停力であったり交渉力であったりと、身に付く力はいろいろですが、物事や人を繋ぐ力も鍛えられますし、事態に臨む対応力も高まります。面倒ごとが多いかも知れませんが、経験したことは人間関係に於いて必ずプラスとなるものです。
なお、役員等に関しては就任の際に「長くても2回続けたら辞める」と決めておくといいでしょう。長く世話役を続けてしまうと、結局、同じ人間関係に浸り深めていくばかりな事態になりかねませんし、自分の周りの人たちの参画意識を阻害しかねませんので、そこは控えておくことです。
ただ、頑張ってもどうしても考え方を変える事も難しく、人間関係でストレスを感じてしまう人もいるかと思います。「じゃあ、関わらなければいいんだ」ってそう簡単に関わりたくない人と関わらないでいれる環境ではない人が普通です。なので、その場合の回避方法を最後にお話しします。
角が立たないで距離を置く理由を常に準備しておく
人との付き合いは、息苦しくもなることでもあります。どうしても楽しいばかりではいられないのは周知の事実でしょう。
そんなストレスが高じてきたときには、相手との距離を置く期間を設けること。いつもいつもベタベタとしているのでなく、ときにはさっぱりとした関係に戻っても良いのだと、心の片隅に留めておくことです。そうすれば楽に付き合えるようになるでしょう。
そして、距離を置く期間をスムーズに設けるためには、いつも相手を傷つけないような「言い訳」や「逃げ場」を用意しておくことが必要になってきます。
具体的には「しばらくは休日も仕事が忙しくなりそう」とか「今、子どもの用で手がとられちゃって」「親の世話、手伝いで」などといった、相手にばれそうにない、角が立たない理由です。
こうした理由を相手に信じてもらうには、相手とのフィールド以外に、たくさんの趣味や娯楽、勉強事などといった、別の分野を自分の中に持っておくことです。そうすれば、あり得そうなことだと納得してもらいやすいでしょう。
また、自分の中にさまざまなフィールドを持ち、相手との関係以外の場所を多く保っておくことは、別の意味でもおすすめです。視野を広く持てたり、心に余裕ができたりして、人付き合いにもプラスとなる影響を及ぼすことでしょう。
まとめ
人付き合いでストレスを大きく感じて疲れてしまう原因や心理として
- 周囲に気遣い、言いたいことややりたいことを我慢する傾向にある
- ネガティブな事をずっと引きずり続けてしまう(心の切り替えが苦手)
- 他人の目線や周囲の評価が常に気になる
- 相手の反応や言葉を悪く取ったり、裏を読んでしまう
- 自分の感情に任せて相手の気持ちをネガティブに推測しがちである
- 特定の人に対する悪感情を、陰口を叩くことで解消している
等あります。
それを解消する為の心の持ちようとして、
- 意思表示をはっきりとする
- 良い人でいるのを辞める
- 人間関係を表面的な付き合いに留める
そして、人間関係の疲れを解消する行動としては、
- さまざまな人々と付き合う
- 自分から人を誘ってみる
- 世話役を引き受ける
となります。
筋肉を鍛えれば疲れにくい身体を保てるように、人間力や対人関係で培う能力を鍛え上げれば、人間関係に疲れやすい自分から脱却することができるかもしれません。前述の3つの方法で、少しずつ訓練していきましょう。人間関係への疲れやすさを根っこから解決できれば、より良い交友関係を成立させていくことができるようになります。
しかし、やはりどうしても人間関係にストレスを感じてしまい、インターバルも必要に感じてしまう人も多くいます。その場合には、円滑に回避する為の方法として距離を置くことも大切になりますね。人間関係を改善して疲れた自分を癒し、ストレスフリーな生活を目指していきましょう。
最後に、もしかしたら、HSPと言った、生まれつき刺激に敏感で、周りの人の感情や行動から、刺激を過度に受け取ってしまう特徴・特性かもしれません。もちろん、HSPだとしても、軽度に差がありますし、病気ではありませんので、多少改善な方もいるかもしれません。
しかし、行動、考え方を変えたとしても、やはりどうやっても大きなストレスによって疲れてしまう場合には、付き合いを減らす行動も必要になってくるかもしれません。自分の性質を知って、必ずしも人と積極的に接するのではなく、人との付き合いを避ける、減らす術を身に着ける等の自己判断も大切になりますね。