他人への「イライラ・腹立つ」気持ちを減らすたった2つの考え方

人間関係には様々な問題が付き物です。他人との関わりの中でイライラしてしまうこともありますよね。もちろん、自分とは違う性格や価値観を持った人と接する中で、イライラしたり怒りが湧いてきたりしてしまうことは仕方がないことです。

 

ですが、怒りという感情は自分自身のストレスになってしまいます。人はストレスを感じすぎると危険です。ストレスによって身体を壊してしまうこともありますし、重大な病気の原因になることもあり得ます。イライラすることや誰かに怒りを向けることはできることならやめた方が良いでしょう。

 

しかし、他人へのイライラや怒りをコントロールしようとしても、なかなか難しいかもしれません。誰しも、イライラしたくてしているわけではないはずです。湧いてきてしまった怒りを抑えることは難しいですし、無理に怒りを抑え込もうとすると、かえってストレスになってしまう可能性もあります。

 

では、そもそも怒らないということはできるのでしょうか?今後一切イライラしない、怒りを感じないということは難しいかもしれませんが、少しの工夫で怒る回数を減らすことはできます。

 

人間関係でのイライラを減らす方法

他人へ怒りの感情を抱いても、疲れやストレスが溜まるだけでいい事はないですよね。ですが、湧いてきた怒りをコントロールするということはとても難しく、なかなかできることではありません。

 

他人へのイライラを減らすには、湧いてきた怒りをコントロールするよりもそもそも怒る回数を減らした方が良いでしょう。そこで今回は、他人へのイライラを減らす方法についてご紹介していきます。

 

相手に哀れみを持つ

人の性格は偶然の産物です。確かに、性格を変えるために一生懸命努力をすれば理想の性格に近づくことはできるかもしれません。しかし、それには相当の努力と時間が必要になるでしょう。

 

人の性格を形成する要因は「遺伝・環境・自己決定の要因・一回性の要因」の4つであると言われています。この4つの中でその人の性格に一番影響を与えるのは遺伝的要因です。人の性格は遺伝的要因によって50%前後が決まってしまうとも言われているのです。また、次に高いのが環境的要因であり、これは今までに育ってきた環境などが要因となるということです。

 

自己決定の要因とは自分の努力などのことです。そして一回性の要因とは一定期間継続的に与えられた影響ではなく、たった一回の偶然の出来事などが性格を大きく変える場合のことです。

 

先ほどもお話した通り、性格の50%前後が遺伝から決まってしまいます。そして残りの50%近くも環境的要因から決まると言われています。中には、自分の性格を変えるために並々ならぬ努力をし、性格を変えることに成功した人もいるでしょう。

 

また、心から尊敬する人との出会いや、事件・事故のトラウマなどの一回性の要因から性格が変化したという場合もあるかもしれません。ですが、その割合はとても低く、ほとんどが遺伝や環境によって性格が形成されてしまっているのです。

 

つまり、あなたの今の性格は、あなたの親があなたのご先祖様たちから代々受け継いできた遺伝で50%近くが決まり、そしてあなたの育った環境により残りの50%前後が決まったというわけなのです。

 

ここで、分かり易くたとえ話をしてみようと思います。

 

あなたがとても横柄な性格の人に嫌な思いをさせられとします。ですが、あなたがもしその横柄な人の親から生まれ、全く同じ環境で育ってきていたとしたらどうでしょう?もしかしたらその人と全く同じことを誰かにやっていたかもしれません。

 

会社の同僚の仕事が遅く、イラ立ちを感じそうになっているとします。ですが、あなたがもしその同僚の親から生まれ、全く同じ環境で育ってきていたとしたらどうでしょうか?あなたもその同僚のようにとても仕事が遅かったかもしれません。

 

このように考えてみると、いつもなら怒りを感じていた相手に対して「気の毒だな」という哀れみの感情が生まれてくるのではないでしょうか?

 

あなたが怒りを感じていた相手も、本当は自分の性格が嫌いかもしれません。ですが、遺伝や今までの生育環境で形成されてしまった性格・価値観はそう簡単に変えることはできません。当たり前ですが、自分の性格が嫌だからと言って他人に変わってもらうことも不可能です。

 

この事実を踏まえた上で、今まであなたがいら立ちや怒りを感じていた人を見てみてください。好きでそんな性格になったわけではないのにかわいそうだなという哀れみを感じてくるはずです。

 

「あの性格でこれから先も生きていくのは大変だろうな」

「遺伝や環境のせいであの性格になってしまって、気の毒だな」

 

という哀れみの感情は、いら立ちや怒りの発生を阻止してくれます。あなたが人間関係においていら立ちや怒りを感じそうになった時にはこの感情を思い出してみてください。

 

「自分も○○と同じ両親・環境下で育っていたら、同じことをしていただろうな」

 

そう考えるだけで、怒りの発生率は低くなるはずです。

 

自分のルールを他人に当てはめない

他人にいら立ちや怒りを感じている時、あなたは自分のルールを相手にも当てはめようとしていないでしょうか?自分が当たり前だと思っているルールを相手が破っている時、人はいら立ちを感じます。

  • 仕事はきちんとするべき
  • 親しくても礼儀を忘れてはいけない
  • 他人に横柄な態度を取るべきではない

 

このような自分の中で当たり前だと感じているルールは誰しも持っているはずです。これは、親からの教育や今までの経験から培われていきます。

 

例えば、

  • 前の職場で、やる気が出ないため仕事で手を抜いた際、上司にひどく叱責された
  • 親から「親しき中にも礼儀あり」という言葉をよく聞かされていた
  • 友人に自慢話ばかりしていたら、いつのまにか疎遠になった

 

というような、親のしつけや経験を元にこうあるべきだというルールを作っていきます。そして無意識のうちに他人にもそのルールを当てはめているのです。そのため、そのルールを破っている人に対していら立ちを覚えます。

 

自分のなかに「こうあるべきだ」という強い信念を持っていることは悪い事ではありません。ですが、それを他人に当てはめてコントロールしようとしても意味がありません。なぜなら、その人の価値観はあなたとは全く別のものだからです。その人にはその人なりのルールがあり、もしかしたらあなたがそのルールからそれていることに、相手もいら立ちを覚えているかもしれません。

 

もしあなたが、他人から自分のものとは全く異なる、その人の自分ルールを押し付けられたとしたら、それに従うことができるでしょうか?電車内でのマナーなどを注意され、「確かにそうだな」と納得して改善することはできるかもしれませんが、全てその人と同じルールの中で生きていくことは不可能でしょう。

 

あなたがいら立ちを覚えている相手からしても同じです。あなたの中にある「こうあるべきだ」というルールは相手の人からすれば全く理解できないものかもしれません。あなたは「相手を変えたい」と思っているかもしれませんが、それはとても難しいことです。

 

上記でもご説明しましたが人は自分の性格や価値観を変えることさえとても難しいのです。ですから、他人の性格を変えるということはほとんど不可能に近いでしょう。

 

つまり、自分のルールを他人に当てはめることはできないのです。

 

これを理解してみると、考え方が少し変わってくるかもしれません。もしあなたがいら立ちを感じそうになったら「私は今、自分のルールを相手にも押し付けようとしているな」と冷静に考えてみてください。そうすると、「相手も自分のルールの中で生きているのだから、私のルールに従うことは難しいだろう」と考える事ができるでしょう。

 

そう考えてみると、いちいちイライラしている時間がもったいないですよね。

 

人の価値観はそれぞれです。両親からの教育や今までの経験もあなたとは全く異なるのもですから、「あの人は自分とは違う性格や価値観を持った人だ」としっかり理解できればあなたのいら立ちや怒りの発生も減少していくでしょう。

 

他人への哀れみと割り切る心を忘れずに

人間関係はとても複雑で、怒りやいら立ちを感じてしまうことも多いでしょう。ですが、イライラすることが癖になってしまうと疲れ切ってしまいます。イライラや怒りを減らすコツは、他人への哀れみと割り切る心を持つことです。

 

「あの性格で生きていくのは大変だな」

「あの人は自分とは違う環境下で育ってきたんだから、価値観が違ってもしょうがない」

 

このように考えてみると、あなたがイライラや怒りを感じる回数も減少していくはずです。他人の性格を変えることはできませんが、少しの考え方の変化で、怒りの感情を減らすことはできます。

 

「自分は怒りっぽい」「イライラしてばかりで気分が晴れない」という方は今回ご紹介して方法を是非参考にしてみてください。

 

おすすめの記事