深い人間関係が築けない人は行動が決まってしまっている事実

なぜ深い人間関係が築けないのか?

友達の数はたくさんいて、一緒につるむ相手には事欠かない。でも、当たり障りのない会話しかしなくて、浅く広く、の人間関係しか築けない。そんな人悩みを抱えている人が多いようです。

 

友達の数やネットワークの広さで、自分の価値を図るような人もいるようです。それこそが重要で、質や深さなどはさほど問題ではないと。でも、ほとんどの人は、自分が本当に仲良くなりたい相手とは、質の良い、深い人間関係を築きたいと思っているのではないでしょうか。

 

そう思っているにも関わらず、深い人間関係が築けない人は、人と関わる時の行動に、ある傾向がみられることに気づきました。その行動とはどんなものか、傾向を探ってみたいと思います。

 

浅い人間関係しか築けない人の4つの行動パターン

仲の良い友達や同僚はたくさんいて、ノリの良い会話だってこなせる。でも、自分の考えや本心、悩みなどは決して話さない。話せない。よって深い人間関係は築けない。卒業などで離れ離れになると、関係が終わってしまう。そんな人の行動パターンとは、いったいどんなものなのでしょう。

 

1.相手が好きそうなタイプを演じる

相手が好感を持ってくれることを求めて、相手のタイプを察知して、無意識にキャラクターを演じてしまうのです。

  • ノリの軽い、いわゆる「チャラい」相手には「チャラい」話し方をする。
  • アニメ、ゲーム、スポーツ…対象は様々でも、相手の入れ込んでいるものに自分も興味をもっていて知識があるように装う。
  • 真面目な相手には、自分も真面目にこんなこと考えています、という接し方をする。でも、その考えも本当の自分の考えというより、相手が好みそうな考えを選ぶ。

 

こうやって話し方、話す内容、いわゆる「キャラ」も演じるので、だんだん疲れてきてしまいます。キャラを演じた結果、それなりに仲良くなれるものの、それは自分の本当の姿ではないからです。

 

仲良くなるにつれ関わることも増えるので、疲れが増してきます。そうしてとうとう逃げ出したくなってしまうのです。これでは、深い関係になる以前にギブアップです。

 

2.自分の評価ばかりを気にしすぎる

こういう人にとっては、自分が相手からどう思われているか、ということが最も重要事項なのです。自分はどういう人間か、自分というものを相手の判断に委ねてしまっています。本来、自分がどうありたい、ということの方が大切ではないでしょうか。

 

相手とおしゃべりしていても、「こんなこと言ったらどう思われるかな」「退屈させてないかな」「面白いこと言わなきゃ」「変なこと言ったかな」などなど、そんなことで頭の中はいっぱいです。当然、肝心の話している内容については上の空だったりします。相手の話もきちんと聞いていないのです。

 

例をあげると、とても愛想の良い方がいました。お喋りしている時にも、とっても元気すぎる相槌が逆になんだか気になっていました。ある時、その人へ心配事を話している最中に、空が真っ暗になってきました。

 

「これ、ゲリラ豪雨くるよ」と言った私に、「へぇー、そうなの。うんうん。」とニコニコ相槌。これ、絶対に聴いてないですよね。もちろん、彼女に大切な話や自分の思いを話すことは辞めようと決めました。大切なことは、ノリの良い会話やリアクションではなく、相手の話に耳を傾けることです。

 

3.当たり障りのないことを言って逃げる

たとえ相手にとっては耳の痛い話になる場合でも、相手のためには伝えた方が良い場合もあります。

 

たとえば、他人からの評価を気にしすぎるA子さん。こんなことがありました。友達と買い物に行く約束で待ち合わせをしていたある日、友達が彼氏を連れてきたが、どう見てもダメ男。自分がヒマだから勝手に彼女についてきておいて、彼女とベタベタ。彼女の友人であるA子さんとは会話もそこそこな感じで、A子さんの知らない話題を持ち出したりと、非常識極まりない。友達はA子さんに気を遣いながらも、彼氏のペースを断れない様子。

 

こんな社会性のない男、絶対に勧めるべきではないですよね。友達のためを思うのであれば、「あの人は勧められない」「あなたにはもっと良い相手がいる」ということを伝えるべきなのです。

 

でも、A子さんは違いました。お腹の中を渦巻く不快感は隠して、「優しそうな彼氏」「すごく愛されてるね」なんて、当たり障りのないことを言ってすませてしまいました。

 

数か月後、友達のお母さんが入院して大変な時に、その男は去っていきました。自分がかまってもらえなくなったからでしょう。本物のダメ男でした。

 

A子さんの思いを友達に伝えていれば、その時には友達は怒ったかも知れません。でも、自分のためを思って苦言をあえて呈していることも知り、信頼感も得て深い人間関係を築けたはずなのです。相手を怒らすこともなかった代わりに、助けることもなかったのでした。

 

4.人間関係が深まるのを恐れている人

学生時代は、一生付き合える「親友」を得ることができる時期です。一緒に学んだり、部活や行事を頑張ったり、笑ったり、悩んだり、喧嘩したり…。共に濃密な時間を過ごすことによって、お互いの事をよく知り、深い人間関係を築いていくのです。そこで深い人間関係を築いたなら、次に進学して離れ離れになっても、まだ友人としてつながっていけるはずです。

 

でも、小学校から中学校、中学校から高校、高校から大学…と環境が変わるたびに、人間関係をリセットしてしまう人もいるようです。やれやれ、ひとつのミッション完了、といったところでしょうか。

 

当たり障りない人間関係をつき通して、喧嘩することもなく本音で語ることもなく、嫌なことも嫌とは言わず…。もめ事とは無縁だったかも知れませんが、なんだか味気ない学生生活ではなかったでしょうか。本音で過ごさず深い思い入れもない分、リセットも簡単なようです。付き合う期間が長くなって、本当の自分に気づかれて嫌われることを恐れているのかも知れません。その前にフェードアウトしようとしていませんか。

 

本当の自分が嫌われるのを恐れるあまり、深い人間関係が築けない人は、こうやって環境が変わるたびに、無意識のうちに人間関係をリセットして安心しているのかも知れません。結局、深い人間関係が築けない人の最も根本にあるものは、人から嫌われることを過剰に恐れている自己防衛本能と言えそうです。

 

深い人間関係を築くために必要なこと6選

本音で語り合える友達は貴重なものです。自分を押し殺して本音を出さないままで日々過ごしていると、心身に悪影響です。生きていく上では、ほんの2、3人でいいのです。やっぱり心を開いて語り合える、深い人間関係を築きたくはないですか?

 

1.みんなと仲良しにならなくてもいい

本心から、「人と仲良くなりたくない」というほどの人間嫌いはほとんどいないはず。人から嫌われるのが怖い、相手が自分のことをどう考えているのか気にしすぎてしまう、そんな人であっても、自分が一緒にいてリラックス出来る相手とならば、深い人間関係を築きたいのではないでしょうか。

 

本当の意味で仲良くなるには、受け入れてもらえないことばかりに気を取られずに、自然体で心をオープンにしておくことです。気の合う友達って、初対面の時から何となくしっくりくるもの。あれこれ頭で考える以前に本能で感じるのでしょう。心を閉ざしていると、せっかくそんな相手と出会えたとしても、スルーしてしまうかも知れません。

 

本当に気の合う相手は、数人いれば十分です。周囲の人みんなに嫌われないようにいい顔をして「仲良し」を演じるよりも、一緒にいてしっくりくる相手を察知して、その人と深く関係を築いていければ良いですね。

 

2.相手によって関わり方に強弱をつける

本当に親密で大切な友達は、そんなにたくさんはいないはず。親友の数が「20人!」なんて堂々と答える人がいますが、そもそも親友というものの定義が違っているのでしょう。仲良しと親友とは別のものです。相手の状態が良くない時でも、本気で関われる相手が親友と呼べるのでしょうが、20人もいてはこちらの心身が持ちません。「この人のためなら!」と思える相手なら親友と呼べるでしょう。

 

仲良し、もしくは顔見知りくらいの友達とは、すべてにいい顔をして深入りしないことも大切。相談されたら乗ってあげたり、話を聴くくらいは良いものの、いい人と思われたい気持ちがつい発動して、中途半場に関わりすぎると厄介です。責任は持てないし、後で、「あの人があんな事言ったから!」なんて吹聴されても困りますよね。

 

3.親密になりたい人のことに興味を持つ

深い人間関係が築けない人にありがちなのは、とにかくその場をうまくやり過ごそうとすること。これは、仕事や近所付き合いなどの場面だけではなく、友達とお喋りしたり一緒に過ごしている時にも、そんな傾向があるのです。

 

自分ばかりに意識を向けて、「変なことを言ってないかな」「つまらないヤツと思われてないかな」なんて、ぐるぐると頭はフル回転。肝心の会話は上の空になりがちで、その時間を味わっていないということです。

 

自分が親密になりたい相手とせっかく時間を共有しているのであれば、純粋に相手に興味を持って心を向けること。自分ではなく、相手に意識を向けるのです。

 

例えば、

  • どんな事が好きで、興味をもっているのかな
  • どんな事が嫌いで、苦手にしているのかな
  • 今、何を思っていて、何を話したいと思っているのかな
  • バックグラウンドにはどんな人間関係や経歴があるのかな
  • 今日は何をして過ごしていたのかな
  • 最近、なにか良いことあったかな、嫌なことはなかったかな

など、深く仲良くなりたい相手のことは、色々知りたいものではないでしょうか。

 

それを根掘り葉掘り尋ねるというのではなく、興味をもって接していると自然に仲良くなれるのです。

 

4.相手にとって本当に良いかを考える

自分が良かれと思っての言動が、相手にとっては迷惑になってしまうこともあります。仲良くなりたい、喜んでもらいたい、と思っているのに、それが有難迷惑になるのは悲しいことです。友達に何かを教えたり、誘ったりする前に、それが相手にとって良いことかどうか、押し付けになっていないか、考えてみることも大切です。

「友達にとって、このお誘いが嬉しいことか、迷惑になっていないか?」

友達をあるグループのスキー旅行に誘うも、「今あまりお金に余裕がないから…。」と、やんわりお断りされた。ここで、お断りの原因を「お金に余裕がない」こと限定で捉えて、「別荘だからすごく安く行けるよ」「私も切り詰めないと無理だから、スキーのために一緒に倹約しよう」とか言って誘い続ける。

 

この友達と一緒に参加したい一心で誘うのは分かりますが、迷惑ではないでしょうか。もしかしたら、友達はこのグループが苦手なのかも知れません。スキー旅行に行けるくらいの余裕はあっても、この旅行に費やしたくないのかも知れないのです。もしくは、本当に金銭的に厳しくて、たとえ安かろうがその費用があれば他のものに充てたい場合もあるのです。

 

5.自分の知識の押し付けではないか?

例えば、友達が引っ越しを決めた。場所・間取り・家賃など全てが理想的な好物件だ。大喜びで引っ越し準備を始める友達。だが、自分が見て、風水的にお勧めできない。友達のためを思って、契約をやめるべきだと進言した。

 

風水にこだわる人にとっては、その部屋はお勧めできない物件かも知れない。でも、友達はどうなのでしょう?興味のない人からすれば、全くどうでもいいことです。むしろ風水にこだわることを理解できないかも知れません。その場合は余計なお世話に他ならないのです。隣の部屋の住人が、ストーカー行為を繰り返している男だという事実があって、それを伝えるのとは訳が違うのです。

 

これらの場合を見てみると、深い人間関係を築けない人の傾向とは真逆に見えます。あまりこんなことはないかも知れませんが、とても楽しかったり、ハイテンションになっている時には気を付けましょう。

 

大切に思う相手なのであれば、それが本当にその人にとって良いことなのか、自分の独りよがりではないか、冷静になって見つめなおしてみることも大切です。

 

6.相手のために本音を伝える

たとえ言いにくいことであっても、本音を伝える必要がある場合もあります。本当に相手のことを思いやるのであれば、いいを顔したいたがために本音を隠すのはナンセンス。それは相手のことよりも、自分が嫌われないことの方が大切だということです。これでは、本当に相手の人とは深い人間関係は築けないでしょう。

 

前述のA子さんが、その典型的な例です。本当に友達の幸せを願うのであれば、「今の彼氏があなたを幸せにするとは思えない。もっと他に良い人が絶対に見つかる。」ということを伝えるべきでした。もちろん、言い方やタイミングにも気を配りながら。

 

恋愛モードにどっぷりつかっている友達なら、「そんなことない!」と怒るかも知れません。でも、その友達も、ちょっと冷静になればA子さんが伝えたかったことが正しいと理解できるはずです。A子さんが、自分のためを思って、あえて言いにくいことを伝えてくれたということも。A子さんに対する信頼感が大きくなったはずなのです。

 

こうして人と関わる時に、勇気を出して一歩踏み込めたら、人間関係をぐんと深めることが出来るのです。気を付けたいのは、「自分が嫌われるのではないか」と自分サイドのことは置いといて、「相手にとってどうか」と、相手サイドにのみ意識を向けることが肝心です。

 

まとめ

深い人間関係が築けない人の傾向が見えました。一見、自分の事より相手の事を考えて優先しているようにも見えます。相手の好みを察知して、相手の好みに自分を演出したりもします。

 

こうして見ると、相手に寄り添う、という意味では、コミュニケーション能力に長けているとも言えます。しかし一見そのように見えますが、実のところ全く違っています。

 

コミュニケーション能力が高い人は、相手の話をじっくり聴く・相手の気持ちに寄り添うことが出来る人です。相手の話をまともに聴くことよりも、相手に合わせて自分が良く思われることだけを最重要事項としているのではコミュニケーション下手、すなわち深い人間関係が築けない人だといえます。

 

一見、相手の話をじっくり聴いているようで、相手の心情を理解しようとしているのではなく、自分が好かれること・嫌われないことだけに気持ちを集中させています。相手のことを思いやっているようで、実は自分が良く思われたいだけです。結局は自分のことしか考えていないのです。

 

深い人間関係を築きたいのであれば、もうそろそろ、自分がどう思われるのかは隅に置いておきませんか。相手に純粋に興味を持って、自分から心を開いてみましょう。

 

面白いことや気の利いたことなんて言わなくても大丈夫。「何か面白いこと、気の利いたこといわなくちゃ」と必死で頭をフル回転させている姿は、相手から見てしんどいものです。

 

肩の力を抜いて、自然体で、丁寧に相手と関わろうとする気持ちが大切です。言葉は少なくても、その気持ちはきっと相手に届くはず。会話も行動も自然なものとなって、親密さが増してお互いの関係も深まっていくでしょう。

 

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