仕事で手を抜く同僚、自己中心的な友達、嫌味を言う上司や先輩、非常識な他人・・・。
日常生活を送っていくうえで、私たちはたくさんの「イライラ」の原因に囲まれています。イライラしても自分自身が疲れてしまい、ストレスが溜まるだけ。誰かにイライラしても相手はそう簡単には変わってくれません。自分が損をするだけだとわかっていても、つい他人に対してイライラしてしまいます。すぐにイライラしないようにしようと思っても、なかなか難しいかもしれませんね。
そこで今回は、他人に対してすぐにイライラしない『器の大きい人』になる方法をご紹介していこうと思います。
器の大きい人とは?
『器の大きい人』とはどのような人でしょうか?
- 他人に対してイライラしたり、怒ったりすることはほとんどない
- 失礼な事をされても、笑って許せてしまう
『器の大きい人』と聞くと、このような人を想像するのではないでしょうか。誰しも、できることならこのような器の大きい人になりたいはずです。
では、器の大きい人になるには一体何をすれば良いのでしょう。今回ご紹介することは、「今すぐイライラしなくなる方法」「湧いてきた怒りを収める方法」というものではありません。あくまで『器の大きい人になる方法』です。少し時間をかけながら実践していく必要があるかもしれませんが、自分の意識を少し変えていくだけで、誰でもむやみにイライラしない『器の大きい人』になることができます。
ムカつき。イライラの原因を知る
器の大きい人になるには、まず自分がイライラしている原因を知る事が必要です。なぜ自分は他人にイライラしてしまうのかという事を知れば、むやみにイライラしなくなるための改善策が見えてくるはずです。
自分を追い込みすぎている
心に余裕がない時、人はイライラしやすくなります。頑張りすぎていたり、完璧を求めて自分を追い込みすぎていたりすると常に忙しく、焦っていることが多くなります。忙しさや焦りによって他人のミスがやけに目についたり、非協力的な人に対して怒りが湧いてきたり。普段なら、「しょうがないな」と笑って済ませられるようなことでさえ、イライラしてしまうこともあるでしょう。
完璧を求めることやできる限り頑張ろうとする姿勢は悪いものではありません。ですが、必要以上に自分を追い込むと心の余裕がなくなり、他人に対する配慮や優しささえ欠如してしまいます。職場や家庭でイライラしやすいという方は仕事や家事・育児を一人で抱え混み、頑張りすぎているのかもしれません。
周囲に気を配りすぎている
「一緒に仕事を進めている同僚がきちんとやっているか気になる」「公共の場での他人のマナーを気にしてしまう」あなたがイライラしている原因にこのようなものはないでしょうか?これに当てはまる方は、周囲に気を配りすぎているせいでイライラしてしまっているかもしれません。
常に他人を気にしていると、人の嫌な部分が見えてしまうことも多くなります。
「人に押し付けてばかりで仕事をさぼっている」
「電車が混んでいるのに大きく足を広げて席に座っている」
このような他人の悪い部分を見つけてはイライラしていませんか?
周りの環境やその場の雰囲気などに人一倍気を配っている人ほど、他人の非常識な行動や失礼な言動に気が付いてしまいます。周囲に気を配り、全体のことを考えられる人だからこそ、その分他人に気を配れない人にイライラすることも増えてしまっているかもしれません。
他人に期待している
周囲の人に対する理想が高い人、他人に期待している人はイライラしやすい傾向があります。
「自分の仕事が終わったら、こちらを手伝ってくれるだろう」
「相手はこちらの気持ちを考えて行動してくれるものだろう」
他人に対してこのような期待や理想を持ってしまうと、それが裏切られた時や予想と違う行動をされたときに、イライラしてしまいます。自分の中のルールから「この場面ではこうするのが当たり前」という理想を抱いてしまっているかもしれませんが、人の価値観はそれぞれです。他人が自分と同じ考えを持っているということはほとんどありません。他人に対して強い期待や高い理想を抱いてしまうと、それを裏切られることも多くなり、イライラしやすくなってしまうのです。
また、自分に厳しい人はこの傾向が強くなります。自分が他人に対して、してあげられることや自分ならここまでできるという基準で他人のことも見てしまいます。その基準と相手の基準のギャップが大きいとイライラしてしまう原因になります。
達観することでイライラが減る
いかがだったでしょうか?上記ではイライラの原因について幾つか挙げさせていただきました。自分に当てはまる項目があったという方もいらっしゃるかもしれません。また、上記に挙げた原因以外にも人によってさまざまな原因があるかもしれません。
上記で挙げた原因の3つ、そしてそれ以外の原因の共通点として挙げられることは「他人にムキになっている」ということではないでしょうか?
- 心に余裕がなく、他人のミスや非協力的な姿勢に怒りを覚え、ムキになってしまう
- 周囲を気遣えない非常識な人にムキになってしまう
- 自分の期待に応えてくれない相手にムキになっている
このように、イライラしている原因は様々かもしれませんが「他人は他人」と見過ごしてしまえることにも、ムキになってイライラしてしまっているのです。では、なぜ他人にムキになってしまっているのでしょうか。あなたがイライラする、ムキになってしまう相手を考えてみてください。その相手は、職場の同僚や友人、公共の場にいる大人などではないでしょうか?「電車内で、大声でしゃべっている大人」にはイライラしても「電車内で大きな声ではしゃいでいる子ども」にはそんなにイライラしないのではないですか?
人がイライラを感じてしまう相手は、自分と精神年齢が比較的近い、自分と「同程度」の人なのです。そのため、あなたがムキになる相手は職場の同僚や友人などで、子どもや動物に対してムキになることはないはずです。これが分かれば、少し解決策が見えてくるのではないでしょうか。
同程度の人にイライラを感じるのであれば、自分がその人よりも精神的なレベルを高くすればイライラしなくなるはずです。つまり、他人にイライラしないために重要なのは『達観する』ということだと言えます。自分が今よりも達観することができれば、今までイライラしていた相手は自分よりも「精神的なレベルが低い人」になります。そうするとその相手にイライラすることはなくなるはずです。
ですが、『達観する』ということは、そうすぐに簡単にできることではないですよね。では、今よりも精神的なレベルを上げるために、今からできることはどのようなことなのでしょうか。ここから、むやみにイライラすることがない「器の大きい人」になるための方法をご紹介していきます。
「器の大きい人」になる方法
「器の大きい人」は周囲の人よりも精神的なレベルが高く、達観している人が多いでしょう。では、精神的なレベルを上げ、物事や人に対して達観できるようになるために、日常的にできることはどのような事なのでしょうか。少し意識を変えることで明日からでも実践できるものを3つご紹介していきます。
自分に優しくする
心に余裕がない人はイライラしやすいとお伝えしました。逆に、器の大きい人は心に余裕があるので、周囲の人にも寛容になれます。自分はあまり心に余裕がないと感じている人は、自分に優しくするということをしてみてください。自分に厳しいということは、悪い事ではありませんが自分を追い詰めてしまうことにも繋がります。
自分に厳しい人は、「もっとちゃんと出来たかもしれない」「完璧ではなかった」と自分を責めてしまいがちです。「最後まで頑張れた」「ミスをしても諦めなかったのはえらい」と意識して自分を褒めてあげましょう。この行為が自分を甘やかすことに繋がるのではと考える方もいるかもしれませんが、そうではありません。自分の頑張りを認めることで、自分自身に寛容になることができます。自分に寛容になることができると、他人に対しても今までより寛容になり、イライラすることも減っていくのです。
当たり前のことに感謝する
感謝の気持ちはとても大切です。あなたは周囲の人にしっかり感謝の気持ちを伝えられているでしょうか?器の大きい人は、当たり前のことにも感謝ができる人です。
「手が空いていたら仕事を手伝うのは当たり前」
「友人が話を聞いてくれるのは当たり前」
このように考えてしまっていませんか?確かに上記のようなことは、自分も相手に対して当たり前にやっている行動かもしれません。その行動に対して、「ありがとう」という言葉がなくても気にならないという方もいるかもしれません。ですが、当たり前のことに対しても、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてもらえると、嬉しくなるはずです。
「いつも話を聞いてくれてありがとう」
「いつも仕事のサポートをしてくれてありがとう」
というように、普段から当たり前に周囲の人にやってもらっていたことに、きちんと感謝するようにしましょう。友人が話を聞いてくれなければ、一人で悩みを抱えて苦しくなってしまうかもしれません。手が空いている人がサポートしてくれなければ、仕事がなかなか終わらないかもしれません。そう考えると、当たり前のことにも感謝しなければいけないと気づくはずです。
周囲への感謝を忘れなければ、周囲からのあなたの印象も変わっていくはずです。当たり前のことに対して、いつも「ありがとう」と言ってくれる人に対して悪い印象は抱きませんよね。あなたが変化することで、周囲のあなたに対する態度も変わってくるでしょう。
愚痴や人の悪口は言わない
愚痴や他人の悪口を言うことは、器の大きい人とはかけ離れた行動です。愚痴や悪口を言うことで、あなたの精神的なレベルは下がっていってしまいます。
「つまらない」「面倒くさい」「どうせうまくいくはずない」などの愚痴は、自分の心の余裕を失くしてしまうことにもつながります。これが癖になってしまうと、卑屈になったりネガティブな考え方しかできなくなったりします。卑屈な性格やネガティブ思考は、イライラの原因にもなります。つい愚痴を言ってしまいたくなることもあるかもしれませんが、そのような場合は気分転換をするなどして、気持ちを切り替えましょう。
悪口を言うことも絶対にしてはいけません。悪口は人の欠点や悪いところばかりを見てしまっている証拠です。他人のことを気にしすぎてしまっている場合は、意識して人の長所を探すようにしてみてください。
また、周囲の人が誰かの悪口を言っている場面に居合わせてしまうということもあるでしょう。そのような場合も同調するなど、一緒になって悪口を言う行為はしないようにしてください。悪口を言っている相手との関係性が悪くなるかもしれないと考えてしまう方もいるかもしれませんが、できるだけ聞き役に徹することで自分が悪口をいうことは回避しましょう。
まとめ
器の大きい人になる方法を3つご紹介しました。いかがだったでしょうか。今回ご紹介した方法は、すぐに効果が出るものではないかもしれません。ですが、日常的に意識して続けていけばそれが癖になり、むやみにイライラすることは少なくなっていきます。
器の大きい人になれば、他人へのイライラが減るので、自分にかかるストレスも減少していきます。また、他人に対して寛容になり親切にできるようになることで、自分の周りにも他人に思いやりを持った人が自然と集まってくるようになります。
このように、「器の大きい人」になることのメリットは一つだけではありません。今回ご紹介した方法を意識して行い、むやみにイライラしない「器の大きい人」を目指してみてください。